あっちこっちおっきなトーマスの修理

先日のジャンク品探しで見つけたトーマスの修理記録。

このトーマスは「Newあっちこっちおっきなトーマス」「Go!Go!あっちこっちおっきなトーマス」という名称らしいです。奈良おもちゃ病院のトミーマックさんの修理記事がありますのでこれにそって修理を試みます。

https://toyhospital-nara.sakura.ne.jp/Toy/TomyMatk/TM29_New_big_Thomas.pdf

外観および症状

使用に伴う傷や汚れ、塗装落ちなどはありますが物理的な破損は見当たりませんででした。電池をいれてスイッチをオンにしても動かず、スイッチ自体が固くなっていました。

何度かスイッチを触っているうちにモータの回転音がしました。床に置いてみると前進しますし底面にある回転車輪も動いているようです。しかし壁にぶつかると勝手に方向を変えて前進するはずですが転回しません。

転回させる機構のギアになにか問題が生じている、スイッチが傷んでいるという仮説を立てました。

修理開始

電池ボックスの接点は念の為にアルコールで洗浄しましたがスイッチ不良は改善しないため本体を開けてみることにしました。

回転台の取り外し

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回転台は2本のネジで止めてあります。ここを外してみるとクラウンギアの着いた車軸と本体側から出ている軸に着いているピニオンギアとが噛み合っています。電源を入れると一応問題なく回転します。

車軸はクラウンギアがつけてありますがよく見るとヒビが入っていました。しかし手で回そうとしても空転はしないためとりあえず問題の原因ではなさそうです。

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ピニオンギアを外します。ギアはやや特殊な形をしていて写真下側には帽子の鍔のようなものがついています。写真上側には角を削ったのか削られてしまったかのように傾斜がついています。

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よくみると本体側の軸についているピニオンギアが割れていました。軸にはローレットが切ってあるため、力が加わっていなければ、割れたギアでも機能しますが、少し力が加わると空回りしています。これが方向転換が円滑に行かない原因であることが分かりました。

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ピニオンギアを外すと黒い箱が取り外せます。黒い箱と車両との間は2mm程度の空間がありますが、底はボスが出ていて本体側(青)の凸と共にこの空間を形成しています。

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ギアがついていた軸はローレットがありました。

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この軸は電源を入れると回転しますが回転中に上から押さえると回転しなくなります。ギアが外れるクラッチ機構が内部にあるようです。

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方向転換する仕組み

このおもちゃの特徴はトーマスが前進しつつ壁にぶつかると方向転換して前進したり、時には何もないところで方向転換する「落ち着きのない」動きです。子どもとっては単調に進む乗り物おもちゃよりは楽しいでしょう。

他のドクターからこのトーマスが方向転換する仕組みがよくわからないという話を伺ったので自分なりに考えてみました。

電源を入れてトーマスが置かれる力の状態は以下の4つです。

  • スムーズな前進
  • 持ち上げ
  • 壁など障害物による力
  • 前進時の上部からの圧力
  • 走行面の傾斜等による本体の傾斜
前進時

ピニオンギアの動きがクラウンギアに繋がりそのまま車軸が回転して前進します。

持ち上げ

持ち上げ時は特に力がかかっていませんが、車台は回転し続けています。正常走行時と変わらないようです。

障害物

前進を阻まれると車軸が動けなくなりクラウンギアが止まります。連携しているピニオンギアも見かけ上は止まりますが実際は動いているため、これが本体側の見かけ上の動きを作り出します。

上からの圧力

上から力が加わると黒い箱全体が押され、ピニオンギアが着いている軸が本体側に引っ込むことでクラッチが機能して軸の回転が止まります。但し、内部でモータは回転し続けています。

傾斜

傾斜時は車台に固定されている車軸とピニオンギアに固定されている軸との間に垂直ではない角度が生じます。通常よくみる形のピニオンギアであれば、この斜めの車軸とギアの角が干渉することになりますが、このギアは角が面取りしてあるため干渉しないようになっています。ピニオンギアの鍔はおそらくクラウンギアの脱落防止も兼ねているのではないでしょうか。もちろん黒い箱と底蓋とで車軸はハズレないようになっていますが、ギア同士が外れないような機構になっているのでしょう。

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本体の分解

まだスイッチの不具合が残っています。

外側から見えるネジは車輪を止めてあるところだけですが、本体左側面に隠しネジと思われる凹みが見えました。ちょうど運転席の窓の部分と車両番号1の赤枠の前方上部です。シールを丁寧に剥がそうと試みたのですが、シワシワになってしまう可能性もあるため、あえてネジの部分に穴を空けることにしました。

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この2つのネジを外してもまだ本体はガッチリと固定されています。よく観察すると左側面の前方車輪と後方車輪の横に穴があります。ライトで中を見るとネジが見えました。このネジを外すには車輪を外してやる必要があります。この車輪は動輪ではなく飾りでしかありませんが、本体が走行する際に地面との摩擦で後輪が回転することで軸が動くように作られています。

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前後の車輪を止めているネジを外します。真ん中の車輪は特に何もしていないことは底部から中を見ると分かりました。本体の右側面にはネジらしきものはなく、左側面で全てネジ止めしてあるようです。

慎重に本体を開くと、電池ボックスの蓋と蓋留め、警笛部分、スイッチカバーがバラバラになってしまいましたが場所が特定できるので修理に支障はありません。結果的に後から分かったことですが、あらゆる部品は右側面に載せたまま左側面を覆うように乗せるとかっちりとハマります。

スイッチはやはり動きが固かったので、コンタクトスプレーをかけてOn/Offを繰り返したらすぐにスムーズな動きを回復しました。さらに電池を入れて試したところ、モータの動きもスムーズなようです。電源系から駆動系は特に問題がありませんのでこれ以上の分解はしません。

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顔の部分は独立したモジュールになっています。顔の後方に軸が出ていてこれにモータからの動きを伝えることでトーマスの両目が左右に動く仕組みになっています。もしここに故障があれば、顔の裏側のネジ2本を外して見ることになります。埃や汚れもなくスムーズに動いていました。

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煙突と汽笛は外から触ると回転するようになっていますが、特に駆動はしないようです。

モータの動きはピニオンギアから平面ギアを通じて二本の軸を動かしていますが、1本が回転車台、もう1本が目玉を動かす用に使われています。二本の軸にはバネがかかっていますが、これはギアを軽く押さえる役割を持っていました。

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組み立て

問題は解決したので組み立てに戻ります。

右側面に部品類を集中して乗せ、本体左側を被せたら、簡単に元の形に戻りました。念の為にネジを締める前に電池を入れて駆動状態が正常であることを確認しました。

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その後は、本体のネジ2本を締め、車輪の裏の隠しネジを締め、後輪のネジを締め、前輪を乗せて前輪後輪を繋ぐ軸を被せてネジ止めします。

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後残っているのは底面の壊れたギアの取替えです。他のドクターが同じギアを持っていないか探した上で、見つからなければ3Dプリンタを持っているドクターに依頼してみます。

ギアの取替え

後日記入

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